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企画展「もったいないから生まれるもの」の開催について

 太地町立くじらの博物館(和歌山県東牟婁郡太地町 稲森大樹館長)において、2025年8月1日(金)より、企画展「もったいないから生まれるもの‐クジラのアップサイクル‐」を開催します。

 本企画展は、日本人の心に古くから根付く「もったいない精神」とクジラを由来とする資源の有効活用の歴史に焦点を当てるものです。かつてクジラは「捨てるところが一つもない」といわれるほど様々なものに加工され、日本人の暮らしの中で重要な役割を果たしてきました。しかし、プラスチックや鋼といった安価で便利な素材の普及に加え、国際的な環境保護の意識の高まりや捕鯨に対する考え方の変化により、日常生活においてクジラ由来製品の存在感は薄れ、今では「過去のもの」となりつつあります。一方で、「もったいない」という精神は今でも暮らしの中に息づいており、油や骨などクジラの未利用部位を活用して、新たな価値観のもとで製品開発に挑む人々もいます。ただ、こうした取り組みはまだ広く知られていないのが現状です。

本企画展では、有効活用の歴史や新しい取り組みを紹介することで、食べ物や道具としての利用に留まらないクジラ資源の多様な価値を再発見し、「もったいない」という価値観を改めて問い直す機会を提供したいと思います。そして、クジラ資源の新たな可能性に目を向け、未来の関わり方を考える契機となればと願っています。

企画展詳細

  • イベント名:企画展「もったいないから生まれるもの‐クジラのアップサイクル‐」
  • 期間:2025年8月1日(金)~2026年7月12日(日) ※会期は約1年間を予定
  • 展示場所:くじらの博物館1階 大ホール
  • 主な展示物:鯨油彩画と鯨油画材、画材研究のための習作【初展示】、鯨油各種、鯨油製品各種(ローソク、石鹸など)、鯨歯、鯨歯加工品各種(アクセサリーなど)、鯨骨加工品各種(ステッキ、数珠など)、鯨髭、鯨髭加工品各種(馬上提灯、携帯用折り畳み式枕など)、鯨革、鯨筋ガットほか(総展示数:約120点)

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